どのような保険であっても、毎月きちんと保険料を支払うことで、保険契約は保険としての役割を果たすことが出来ます。学資保険においても同様です。
しかし、何らかの理由が生じて、学資保険の保険料が払えなくなってしまい、それを解決できないままになると「滞納」という状況になります。
もし、学資保険の保険料を滞納してしまったら、どのようなことが起こるのか。
滞納が続くと、どのようなことになるのか。
その解決方法とさまざまな対策について、詳しく解説していきます。
学資保険の保険料を滞納するとどうなるの?
まず初めに、学資保険の保険料が支払えなくなり、滞納という状況になった時、どのようなことが起こるのかについて、詳しく説明していきます。
学資保険に加入したばかりなら「失効」になる
学資保険に加入した後、あまり時間が経たないうちに保険料の支払いが出来なくなって、滞納ということになってしまうと、保険契約は「失効」という形になります。
つまり、保険料が支払われなくなったことによって、保険契約自体が消滅してしまうことになります。当然、保険の補償もなくなります。
解約返戻金があれば「自動振替貸付制度」がある
しかし、学資保険に加入してから、ある程度の時間が経っているのであれば、保険料が払えなくなってもすぐに失効にはなりません。
ほとんどの場合、保険契約時に「自動振替貸付」という条件が付加されているからです。
この「自動振替貸付」というのは、解約返戻金が発生する保険に加入した際、ほとんどの保険で自動的に付加されているものです。
保険料の払い込みがなくても、解約返戻金があればその範囲内で、自動的に保険料金を振り替えて、保険を継続してくれるという制度です
「自動振替貸付制度」開始の通知が届いたらすることは?
ただし、「自動振替貸付」は「自動的に保険料を振替えてくれる」とは言っても、名目は貸付扱いになりますから、利息は支払わなければなりません。
そして、振替が行われるのは、解約返戻金がある時期だけですので、解約返戻金がなくなれば「自動振替貸付」は行われなくなり、保険契約は本格的に失効となるわけです。
この制度が発動すると、その旨を記載した通知が届きますから、解約返戻金が底をつく前に、「今後、学資保険契約をどうするか」を決める必要があります。
学資保険を滞納すると考えられるリスク
ここでは、学資保険を滞納すると起こってくることについて、詳しく解説していきます。
失効によって保険契約が消滅し、将来の学資金である満期保険金が消滅する
保険料の支払いが止まって、保険が失効すると、保険契約自体が消滅する形になりますから、学資資金としての満期保険金を受け取ることが出来なくなります。
保険としての様々な補償がなくなる
学資保険が失効すると、主契約の保険としての働きが止まることになりますから、それに伴って様々な補償もなくなります。
失効による主契約の消滅に伴って、特約も消滅する
主契約が失効してしまうと、それに付随した特約もなくなります。
積み立てた分のお金が無駄になる
保険は貯金ではないので、満期を迎える前に保険料を払えなくなってしまった場合、そのまま何の手続きもとらないでおくと、滞納から失効へと移行してしまい、それまで積み立ててきた保険料は無駄になってしまいます。
再度、学資保険の加入を考えてもできない可能性もある
学資保険には、子供の年齢で加入する時期に制限が設けられています。
そのため、一度失効してしまうと、再契約が出来ないこともあります。
しかし、子供の年齢が加入可能範囲であっても、契約者である親の健康状態によっては再契約が難しくなります。
もし、契約可能と判断されたとしても、最初の契約時より年齢が上がっていますから、以前と同じ内容で契約を考えた場合、保険料は当然高くなります。
最初に学資保険に加入したときとは、契約者である親の側の条件面が様々に変わっていますので、失効してしまった保険契約と同じ条件で、再加入することはできません。
学資保険が払えなくなった時の対策はあるの?
ここでは、「これまで積み立ててきたけれど、事情があって、この先、学資保険の保険料が払えなくなってしまった」となったとき、取るべき対策について、解説していきます。
「保険料が支払えない」となった時、まず一番初めに考えなくてはいけないのは「この先、この学資保険契約を継続するか・否か」ということです。
保険契約が維持できなくなる理由は様々ですが、ここでは「契約を継続する」という条件で、対策を考えていきます。
まず初めに保険料を見直してみる
まず1つ目の対策です。
これは、保険料を滞納する原因が、単純に「保険料を高くしすぎて支払が困難になった」「収入が減ってしまったので、保険料の支払いの負担が辛くなった」というような経済的な事情のみで、「今後も学資保険の契約を継続したい」と考えている場合に最適な方法になります。
その方法、それは「保険料の見直し」をすることです。
満期保険金の金額を見直し、保険料を減額することで、解約しなくても保険の負担を少なくすることが出来ます。
この場合、補償が継続できますし、少なくはなりますが満期保険金も残すことができます。
滞納し始めたばかりの時、もしくは滞納になりそうだという時に、早めに対策できれば、失効という結果に至らず、保険契約の継続が可能になりますから、ファーストチョイスとして「保険料の見直し」をすることを覚えておいてください。
解約返戻金があれば払い済み保険への変更ができる
次に2つ目の対策です。
この対策は、保険に加入してから一定の期間が経過していて、まとまった額の解約返戻金がある場合にのみ、適応になります。
どういうものかというと、解約返戻金の金額を元にして、満期保険の金額を調整し、残りの期間分の保険料として払い込んでしまう方法で「払い済み保険への変更」といいます。
「払い済み保険」に変更してしまえば、それ以降の保険料の支払いはなくなりますし、減額はされますが、満期保険金も残ります。
保険料の支払いがなくなることで、経済的な負担も軽減できます。
ただし、一度「払い済み保険に変更」してしまうと、元の保険の条件に戻すことはできませんので、今の状況が一定期間だけのものなのか、この先もずっと続くものなのか、よく吟味してから、取るべき対策ともいえます。
一時的に保険契約を失効させた後、契約を復活させる
最後に、3つ目の方法です。
この対策は、「学資保険に加入したばかり」、もしくは「加入してからあまり時間が経っていなくて、「払い済み保険」に変更することが困難な場合」や、「満期保険金額を減額しても、保険料の支払いが困難」という事態が起きたときの対応です。
それは、保険料を支払わずにおいて、一時的に保険契約を失効させ、一定期間が経ってから契約を復活させる方という法になります。
失効から3年以内であれば、条件は付きますが保険契約を復活させることが可能ですので、「一時的に収入が減ってしまったけれど、しばらく後に経済状況が回復する」とわかっている場合には、考えてもいい方法ではあります。
一度失効した学資保険の復活は難しい
しかし、この3つ目の対策方法は、簡単に実行してはいけません。
一度失効した学資保険契約を復活させるためには、かなり厳しい条件をクリアしなければならないからです。
条件の詳しい内容については、以下を参照してください。
- 健康状態が、失効前と変わりがないこと(再度、審査を受ける必要がある)
- 失効していた期間の保険料を、一括で払込めること
- 保険契約が失効してから3年以内であること
この3つを満たさなければ、以前と同じ条件での保険契約は不可ですので、注意が必要です。
結論から言うと、学資保険の保険契約は、一度失効してしまうと、簡単に復活できるものではありません。
「後で復活させればいいから」と安易に考えて、簡単に学資保険契約を失効させてしまうことは、避けたいものです。
なんとか経済状態が回復して、いざ保険契約を復活させようとしたとき、条件がそろわず、思うような結果にならないとも限りません。
ですから、この方法で滞納回避を考えるより、先に挙げた二つの方法で対策を考える方が安全です。
どうしても無理なら解約を
ここまで、「学資保険を継続する」ということを軸に、滞納を回避する方法について説明してきました。
しかし、保険料が支払えなくなる事情は、人により家庭により様々なことが考えられます。
その事情の内容によっては、継続を選択することが難しい場合もあります。
ですから、ここまで書いてきた方法で、色々と対策を試みたけれども「どうしても継続が難しい」という状況の場合、最後の選択として「解約」を選ばなければならないこともあります。
安易に解約を選ぶべきではありませんが、解約以外どうしようもない事情は存在します。
それよりも「何もしないで放置してしまうのが、もっともよくないこと」だということを理解しておいてください。
学資保険は保険料を滞納する前に対策することが大切!
ここまで、学資保険の保険料を滞納したときの対策方法について書いてきました。
しかし、学資保険は積み立てをしっかりしてこそ、「お子様の進学時の費用対策」という、本来の目的を発揮するものです。
ですから、滞納はもっとも避けたいことです。
でも、突然のアクシデントなどで、保険料の支払いが止まってしまうような想定外の出来事は、誰にでもあり得ることです。
問題になるのは、そのまま放置してしまうことなのです。
ですから、「どうにもならない」事態に陥った時には、最悪の事態になる前に、無料の保険相談サイトや、保険会社の相談窓口などを利用してよく相談し、できるだけ早く最良の対策を実行することが大切です。
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